手向け-タビダッタキミヘ-
Friday
その訃報は、ある日突然訪れた
よりによって、酔っ払っている時に
「センシュウモクヨウビ、ガンデナクナリマシタ」
何?
えっ?
酔いの回った頭でも、理解できた
あぁ、旅立ったのだと
仲間が次々に反応する
「早すぎるよ」
「え、辛い」
「知らなかった」
私は、何も反応できなかった
悲しい、よりも別の感情が湧いてしまって
「何だ、それ」
そんな幕切れって、ありかよ
もう十年以上会っていない
けれど、当時、私達の間にあった、”特別なもの”はまだ、ほんの少しでも残っているのだと思っていた
それは、私だけが未だ見ていたのか
ムッとした、夏の夜の空気
高速道路を渡る車の声
いつの間にか繋がれた手
ご機嫌そうな君
困惑する私
今、戻ったって、同じ私達になるに違いない
だから、コウカイとは違うんだろう
ただ・・・
もう少し、続きが見たかった
この世界で
なのに、君はーー
何も言わずに旅立った君へ
私は、腹が立っているよ
あぁ、腹が立っている
あの日君が、私に怒っていたように
ー
ー
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