自己肯定感 が上がってくると、ぶち当たる 壁
カウンセリングを通じて、
自己肯定感が上がってきた相談者さんが、
こんなセリフを口にする事があります。
「やっぱり自分にはムリだと思います」
「この間友達と会ったら、おかしくなったって言われました」
「結局、私には幸せなんて似合わない気がするんです」
「なんか自分が弱くなったように感じます」
一見ネガティブに見えるこれらのセリフ、
実は自己肯定感が上がっていくと、
皆がぶち上る壁なんですねー。
*
【足元に気を付けて】
カウンセリングやワークを重ねて、
徐々に自己肯定感が上がってきたミズキちゃん。
半年前に別れたトオルくんの事も、
最近はあまり思い出す事もなくなってきたし、
思い出してもちょっと悲しいけど、
以前のように一日中涙する事もなくなった。
仕事で失敗しても、
“ドンマイ、ドンマイ”と次頑張ろうと自然と前向きになって、
他の仕事で力を発揮できるようになって、
なんだか楽しい。
けど・・・ある日、ぽっかり落とし穴に落ちるみたいに、
ズーーーンと沈んだ気持ちになっちゃった。
カウンセリングもワークも頑張ってきた。
トオルくんの事も思い出さなくなってきた。
仕事で落ち込む事も減って楽しくなってきたのに。
自己肯定感が上がるとこうなる、って話を聞いて、
自分も取り組んできたけど、
昔から友達ともうまくいかなかったし、
誰かと付き合っても長く続かないし、
仕事も大した事してないし、
もうこんな年齢だし、
・
・
・
「やっぱり自分にはムリだと思います」
と、冒頭のセリフを私にお話しいただくんですねー。
こんな時、私の頭に真っ先によぎるのは、
もったいない!!!
という言葉。
せっかく、いい兆候がたくさん表れ始めてるのにー、って。
*
【こんにちは、「古い自分くん」】
この時、ミサキちゃんの中で何が起こっているか、
解説していきましょー。
自己肯定感を上げて今までと違う
思考パターン、行動パターンを
色々と試していきます。
“こうすると、自分が喜ぶんだなぁ^^”
“これは上手くいかなかったけど、
自分らしいからオッケーだわー♪”
これらを、「新しい自分くん」と名付けますね。
対して、今までの思考パターンや、
行動パターンをする「古い自分くん」。
アイデンティティ(存在理由)を失われる時、
人は物凄い力を発揮します。
心の中の人でもね。
同じ事に対して、「古い自分くん」は
こんな風に考えます。
[新]“こうすると、自分が喜ぶんだなぁ”
⇒[古]ダメダメ、自分を甘やかし過ぎだよ!後で、絶対しっぺ返しがあるよ!
[新]“これは上手くいかなかったけど、
自分らしいからオッケーだわー”
⇒[古]また失敗して、ホント駄目な人だね。なんで最初からそうなるって、分からなかったの?
*
【お前、意外とイイ奴じゃん】
「新しい自分くん」の方が前向きでいいなぁと思っても、
実は「古い自分くん」の考え方にもメリットがあるので、
なかなか抜け出せません。
<「古い自分くん」のメリット>
その1、変わらなくていい
やっぱりねー、
人はどんなに現状が嫌でも、
変化を恐れる生き物なんですねー。
変わらない方が、断然楽チーン。
楽チンなのともう一つ。
変わるのが怖いから変わりたくないって理由もあります。
どんなに不便なでも、住み慣れた我が家は離れがたい気持ち。
愛着もありますしね。
その2、責められた時に言い訳ができる
変わって上手くいったらいいですが、
上手くいかなかったら、
周りに責められるかもしれないですね。
転職したり、引っ越ししたり、
大きな変化にチャレンジしても
必ずしも上手くいくとは限りません。
そうして失敗して周りに責められた時、
「リスクもちゃんと考えたんだ」って言えたら、
少し責任逃れができますよね。
リスク管理をしてくれる、のが
「古い自分くん」のいい所だったりします。
自己肯定感が上がり切っちゃうと、
責められても、
「いやー、そんな気分だったんだー(にっこり)」って
押し切れるんですけどね(笑)
*
【壁を突破するには】
さて、ではその壁。
どうやって突破したらいいんでしょう。
そこでカギとなるのが「手放し」です。
壁と表現したので、壊したり、乗り切ったり、
回避するイメージがあるかもしれませんが、
「手放し」はちょっと違うんですね。
「古い自分くん」が出てきたら、
その存在を認めてから、別れを告げるイメージ。
“今までは君を選んできたけど、
私はもう幸せになる覚悟を決めたから、
「新しい自分くん」を選択するね”
<「古い自分くん」を手放すワーク>
その1、手紙を書く
「古い自分くん」宛に手紙を書いてみましょう。
何を書いても大丈夫です。
その2、スイッチを作る(グー→パー)
「古い自分くん」が出てきたら、
それを手放して、「新しい自分くん」に切り替える
ちょっとした仕草をスイッチとして自分の中に作ってみましょう。
私の場合は、恐れや不安、抵抗感が出てくると、
自然と手を握っているので、それを意識して、
グーからパーに広げます。
手の中に握っていた「古い自分くん」を、
広げて解放してあげるイメージ。
どんな仕草でもいいですよ。
自分にしっくりくる仕草で、スイッチを作ってあげましょう。
*
【まとめ】
自己肯定感 が上がってくると、ぶち当たる 壁 。
それは「古い自分くん」なんですねー。
「古い自分くん」に出会ったら、
その存在を認めて、さよならをしましょう。
大丈夫。
ちょっと寂しいような、弱くなったような、
不安なような気分になると思いますが、
別れを告げても「古い自分くん」の中にも自分らしさがあるから、
また違った形で出会えます。
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「やっぱり自分にはムリだと思います」
「この間友達と会ったら、おかしくなったって言われました」
「結局、私には幸せなんて似合わない気がするんです」
「なんか自分が弱くなったように感じます」
こんなセリフが頭をよぎったら、
誰もが通る、通過儀礼だと思って、
「キターーーー!!!」って歓喜してください(笑)
求めていた場所は、すぐそこですよん。