改めて、 アドラー心理学 の目的論を考える
『嫌われる勇気』が大ヒットしたのは、2014年。
同じ年、そんなブームなど露知らぬ私が、
たまたま受講した心理学講座のテーマが、
アドラー心理学 。
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↑対話形式でアドラー心理学を物語調で綴っているので、
とっても分かりやすいです。ベストセラーは伊達じゃない。
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幼い頃から人の心に興味のあった私は、
自然と日本ではメジャーな心理学者ユングやフロイトによって提唱された
「感情や行動は過去の原因から生み出される」
という【原因論】で物事を捉えていました。
そんな私にとって、
「感情や行動は目的があって生み出される」
というアドラーの【目的論】は新鮮であり、
飲み込むのに時間の掛かる理論でしたが、
今改めて考えると、自分の中で
すんなり目的論を活用できていると感じたので、
今日はアドラーの目的論についてお話します。
基本的な考え方
【原因論】
「感情や行動は過去の原因から生み出される」
【目的論】
「感情や行動は目的があって生み出される」
出典:Wikipedia
恋愛を例に取ってみましょう。
彼から音信不通になって、とっても不安!
という女性がいたとします。
はい、過去の私です(笑)
一日に何回携帯を見たことか。
仕事中もリップを探す振りをして、こっそりチェック。
返信がない事が怖くて、電源を切ってまた入れて凹む。
そんな事を繰り返していました。
*
原因論と目的論を例で比較
原因論で見ると、彼女は過去に不安になった原因があるはずです。
昔の彼氏が、音信不通になったと思ったら自然消滅したとか、
交通事故にあっていたとか、浮気をしていたとか。
なんとなくこれは、分かりやすいですね。
過去の経験から、感情が呼び起こされているイメージ。
一方で、アドラーの目的論。
過去の経験は一切関係ありません。
彼女は、不安になるという目的があるから不安になっているんだ、と見ます。
音信不通になったから、というのは【後づけ】とします。
えっ、どういう事?って、なりますよね。
誰だって、不安になりたいなんて思わないんじゃないかって。
でもね、考えてみてください。
彼女は彼から返信が来たら、安心すると思います?
返信が来たら来たで、
返信内容を分析して「いつもより冷たい・・・」と不安になり、
自分の返信のタイミングや内容を考えては「嫌われるんじゃないか・・・」と、
また不安になり、
不安の大量生産をし続けます。
何のために?
そう。これが目的論でいっている、「目的」です。
何のために、不安になっているのか。
そう考えられるのが、アドラーの目的論のいい所。
*
原因論と目的論は、 現在への影響の仕方が違う
過去と他人は変えられません。
原因論に基づくと、変えられない過去に原因があるので、
絶望的です。
【原因論】
<過去>の原因 → [現在]に影響
※過去が現在を作っている
【目的論】
[現在]に影響 ← <未来>の目的
※未来が現在を作っている
アドラーの目的論は未来志向なので、問題解決に適しています。
先程の「何のために?」の質問が活きてきますね。
何のために不安になっているんだろう。
不安でいることの目的はなんだろう。
一例だけど、こんな目的。
・彼からの愛情が欲しい
・彼をひどい男だと言いたい
・暇になりたくない
・一人じゃないと思いたい
一見、デメリットしかないような状況でも、
自分で望んでいる事ですから、必ずメリットはあります。
*
目的論なら「手段」が見えてくる
アドラーの目的論は不安になる事の先の目的を考えるので、
その本当の目的を達成するために、「手段」を考える事ができます。
件の例で考えてみると、音信不通という手段を使わなくても、
目的を達成する、以下の「別の手段」を考えられるという事ですね
・彼からの愛情が欲しい→本当に愛されていないの?
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・彼をひどい男だと言いたい→彼を見上げている状態。自己肯定感を上げよう
・暇になりたくない→自分の心の声を聞いて、わくわくすることをしよう
・一人じゃないと思いたい→人からの恩恵を受け取ろう
以上、Friday(フライデー)流のアドラー目的論解説でした。
*
原因論はいらない?
改めて考えてみて、今の自分の考え方にとても近い事に驚き!!
だって一度私、目的論を手放したんですよ(笑)
あまりにも当時の私には難解すぎて。
自分が不安になりたがってるなんて!
「そんな訳ない」って、連呼していました。
原因論と目的論は180度違う所から物事を捉えるので、
心が追いつかなかったんですね。
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でも、今は原因論も目的論も必要だと思っています。
原因論はブレーキで、目的論はアクセルになります。
ブレーキもアクセルも、車を上手に運転するのに必要。
どこでブレーキをかけ、
どこでアクセルを踏むかの判断に必要なのは・・・
やっぱり自己肯定感と“私の取扱説明書”(笑)
本日のMGM:BUMP OF CHICKEN/話がしたいよ